中国の春節後の職場復帰事情と仕事に対する思考【商品仕入れの影響】

中国人の仕事の思考 ビジネス
この記事を書いた人
ていゆう

・EC事業の経営者
・EC企業を2社設立
・年商1億5000万円を4年間継続
・現在はブログを書いてます

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そろそろ今年も春節の時期が近づいて来ました。

2024年は2月10日(土)~17日(土)の8日間が中国の春節期間です。

みなさんが想像する一般的な春節の認識は、春節期間中に休みになった大勢の中国人がわんさか日本にも旅行に来日し、大量にブランド品や電化製品を買って帰る。というイメージが強いと思います。

しかし中国の工場やメーカーと取引している法人や個人の方の店舗運営者であれば、1年の中で最も仕入れを大量に行わなければならない時期でもあります。

取引していた工場は深圳や広州にあり、例外無くそのような対応が必要でした。

なんでたった8日程度の連休なのに大量にモノを仕入れなければならないの?

と思うかもしれません。

しかし中国と取引している企業は慌ただしくなる時期でもあります。

今回はそんな春節の中国人の方の過ごし方、日本との文化の違い、ネットビジネス運営者や日本の小売業の方々がその間にしなればならない対応や視点を紹介してみたいと思います。

春節期間中の中国人の休み期間は1か月間

中国人はとにかく休みます。彼らにとって仕事よりも家族や自分の休暇の方が大切なのです。

春節は本来はたった8日間の連休です。

しかし中国の方々の大部分が前後2週間ずつ、合計1か月の連休タイムになります。

人によってはそれより短かったり、長かったりしますが平均で1か月間のお休みをします。

なんで?と思われるでしょうがそれが彼らの文化であり、すでに中国に根付いている彼らの習慣になっているのです。

当然、中国国内ではその期間中は企業・工場・物流のほとんどがストップします。

とても日本人には想像できません。

我々のような中国から製品を仕入れをしている小売店は、その期間は中国の工場に対して注文をかけることができなくなります。

ですので春節になる前に、通常の1.5倍から2倍程度、仕入れの物量を多めにする必要が出ます。

1か月間休むのは分かった。

でもなんでそんなに大量仕入れが必要?

春節前に大量に仕入れる必要がある理由

商品を中国工場に対して注文する際は、通常であれば1か月から2か月は待つことになります。

そのうえで大量の品物を輸入する際には船便を使うことがメイン輸送方法になるので、さらに2週間から1か月程度の期間がかかります。

ですので早くて1か月半、遅くて3か月というのが目安です。

一方中国の工場側では本来2/10から始まる連休ですが、この2週間前の1/25前後には工場をストップさせて連休の準備に入りたいと考えます。

製造期間1か月のモノ1/25に完成予定なので12/25を最終受注にしたい
製造期間2か月のモノ12/25に完成予定なので11/25を最終受注にしたい

このように日本側からの注文は1か月の製造がかかるものであれば12/25頃、

2か月の製造が掛かるものであれば11/25ごろには受注そのものを止めます。

その受付日以降になってしうまうと「注文は春節が終わってからにしてくれ」と言われます。

日本のように「仕事なんだからなんとかしろ!」という概念を通用しません。

日本からの注文だけでなく世界中から注文を受けている工場も多いので、できる限り注文は早めにして欲しいといつも工場側は言っていました。

完全に向こう都合の言い訳ですが、注文者側は毎年この慣例行事に付き合わされることになります。

そのような理由から毎年の春節前の注文は11月から12月の間には完了させることになります。

どのくらい仕入れするの?

通常であれば1度の注文で1000個の注文をしている場合、

1500個から2000個分の仕入れをすることになることになります。

春節が終わり工場が通常稼働するのは2/10から2週間経過後なので2/25頃となります。

ただし、その頃は春節終わりで注文も殺到していることが多いため、注文したからといっても工場側もすぐに取り掛かれない事が多いです。

そのため2月末に注文した製品というのは早くても4月末頃の到着になります。

つまり春節前の11月末ごろに行う注文の際には、4月末まで在庫が持つようにする必要があります。

とはいえ、11月末の注文時点で在庫が0ということもないので、その注文時の在庫状況とその間売れるであろう販売数をおおよそ予測することになり、必然的に通常の2倍程度の物量を注文することになります。

春節前の店舗側の動き方

資金が豊富にある店舗であれば問題ないですが、ギリギリの運転資金で回している店舗も少なくはありません。

そうなると、お金が必要になるため、銀行などから融資を受けることになります。

店舗によっては春節前になると毎年年末には銀行から融資を受けるような場合もあります。

中国人の仕事に対する思考

春節中の過ごし方

春節中は、ふだん企業や工場で働いている人も故郷に帰って過ごす習慣があります。

深圳や広州などの大都市で働いている人も例外なく田舎に帰ることがほとんどです。

そのこと自体はなにも問題はないのです。

問題は春節が終わっても会社に戻って来ない、またそのまま会社を辞めてしまう人も一定数いることです。

このあたりは日本とだいぶ違いますよね。

中国人は仕事をすぐ辞める?

中国人は日本人に比べ、すぐに仕事を辞める傾向にあるといいます。

単純に嫌になったから、飽きたからという単純な理由など、

また元々独立心が強いことから、自身のキャリアアップやリスクを考えて辞めるパターンが多いようです。

リスクを考えるというのは「1つの会社に長く勤めることはリスク」という思考があります。

日本だと逆ですよね。「長く1つの会社にいるほうがリスクが低い」という日本の考え方と真逆です。

※最近は日本もその思考が薄れつつありますが。

この思考や文化が日本とは全然違います。

春節後の工場と製品の出来栄え

工場や企業は一定数の従業員が辞めることは計算しているので、すぐに募集をかけて人を集めます。

しかし人が集まったからといって、すぐに工場が通常運転できるわけでもありません。

慣れてない工員に1から作業を教えることになるため、通常よりも製品完成の時間はかかります。

更に製品の出来が春節前より劣ることが多いです。

理由は慣れていない工員が製品製造にも当たるためです。

このように春節期間というものは中国から商品仕入れを行っている小売業者からするとデメリットが多いことが挙げられます。

中国文化の象徴である春節

中国という国と取引するということはこのような文化の違いを理解した上で行うことが求められます。

しかし中国からすれば理解できないような日本人の習慣もありますので、そこはお互いが歩み寄り文化の違いを理解しつつ取引することが大事になります。

始めのうちは本当に理解できないことを多く、驚くことが多かったです。

しかし慣れてしまうとそういうものなのだな、という思考になり徐々に日本独自の固定概念自体にもすべてがただしいわけではない、と考えることが多くなりました。

春節中の中国人の習慣と思考、それに対応する日本企業の記事でした。

今回以上です。

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