販売者が赤字でも売る合理的な理由【ネットショップ・EC】

ネットショッピングで利益がでなくても安くする ビジネス
この記事を書いた人
ていゆう

・EC事業の経営者
・EC企業を2社設立
・年商1億5000万円を4年間継続
・現在はブログを書いてます

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WEB上で販売されている商品をみていると「え?なんでこんなにこれ安いの?」と思う激安商品を発見するときがあります。

「いつもは1,000円くらいで販売されているのに、今だけ300円なんて。。本当に新品なのかな?」と心配したり、

「こんなに安いんなら今しかない!」

と即購入ボタンを押したりと反応は様々です。

今回はネット上で販売されている激安商品を販売する店舗側の都合と、ネット店舗が赤字でも特別安く商品を販売する理由を解説していきます。

販売実績が欲しいから赤字でも安くする

商品販売の初期はSEOが弱く検索順位が2ページ目以降になっていることがほとんどです。

あまり目立つことがない2ページ目以降の商品ページをなんとかSEO対策して上位表示させていきたいと運営店舗者は考えます。

上位表示させるために一番有効なことは、販売実績をつけて該当の商品ページのSEO優位性を働かせる。というものがあります。

SEOが優位に働くと、検索順位に大きな影響を与えることになります。

特に販売開始直後・ライバルに勝ちたい・セール期間中などの場合などに思い切った値引きをすることがあります。

販売実績を付けて上位検索順位を狙う場合、購入者1人が100個購入するよりも100人が1個ずつ購入する方が効果的です。

ですので「買われた数量」ではなく「どれだけ買われた機会があるか」のほうが重視されます。

その理由から店舗側は必ず「お一人様1個のみ」の購入制限をかけております。

100人が全員100個ずつ買ったらお店は潰れます。

在庫処分のため利益が出なくても安くする

「在庫限りの半額」などと銘打って大幅値引きをして、キャッシュフローの循環を図るための施策の場合があります。

商品自体の需要が落ちてしまったり、外部要因で利益がでなり、やむを得ず値引きして商品在庫をキャッシュに戻すパターンです。

店舗側としてはそのまま不良在庫や長期間の在庫になるより、大幅値引きをしてでも在庫を掃かせて、一旦キャッシュにしてから別の商材で勝負をした方が利点が大きいという理由があります。

実店舗でも閉店セールなどと謳い、大幅値引きしている店舗を見かけます。

閉店セールのくせになかなか閉店しない店とかも。。

うちの近所の布団屋さんが3年くらい閉店セールしてました。

この布団屋さんの閉店セールは意味合いが少し違いますが、在庫をできるだけキャッシュにする。という意味では同じ施策です。

客寄せ商品にして利益が出なくても安くする

お買い得商品を1種類作り、その商品だけでは赤字だけど他の商品と合わせて購入してもらうことを促し、総体的には利益を確保するパターンです。

抱き合わせ販売にもなりますが、ネット販売の場合は必ず他の高額商品を買ってくれるとは限らないため、最近ではこの手法を使っている店舗は少ないです。

飲食店やレストランで1,000円ランチを利益が出ないにもかかわらず、口コミを広げる目的や、利益が取りやすいディナーに来てくれることを目当てに行う手法と似ています。

知り合いの飲食店でランチはまったく利益がでないが、スタッフの時給を払う目的とディナーにきてもらいやすくするために、安いランチを提供している。ということを言っておりました。

このように、ファーストコンタクトでは利益がでないですが、長い目で見た時にきちんと採算がとれる戦略をとっています。

顧客満足度を高めてレビュー評価をアップさせる

新店舗であれば店舗レビューや商品レビューが0からスタートすることになります。

そのため、まずは顧客に喜んでもらい店舗と商品のレビューを充実させるための施策です。

顧客は商品が安い・配送が早い。というだけで一定の満足感を得られます。

新店舗や新商品で販売スタートする場合、初期の頃は赤字か利益無しで販売をしばらく続けることもあります。

資金が豊富にある企業ですと1年や2年以上それを続けることもありますが、それ以外の小規模店だと長期間続ける真似ができないです。

ですが最初の1か月程度であればこの作戦で初期販売に加速をつけることがあります。

価格設定をミスして赤字

たまに見かけます。

本来1,980円なのに198円にしてしまうようなパターンです。

筆者も実は以前これに似た失敗をしたことがあります。

本来2000円のものを100円引きの1,900円で販売しているつもりが、なんと販売設定価格を100円にしてしまい、合計50万程度の赤字を出しました。

株のジェイコム事件と似てますね、規模が全然違いますが。

筆者が体験した激安商品

筆者は以前、Yahoo!ショッピングで車用の光沢材?みたいな商品が100円で販売されていたのを、たまたま見つけて即購入したことがあります。

当然、購入設定は「お一人様1個のみ」の購入制限があり、あまり興味はなかったのですが、「100円ならいいか」と試しに購入することに。

配送はメール便でした。しかし、おそらく配送費と販売手数料だけでも100円以上はかかるので商品仕入れ代金分がまるまる赤字のはずです。

その商品ページではその後もしばらく1週間程度でしょうか、そのまま100円で販売しておりましたが、翌週いきなり980円になっておりました。

それを見てこの商品の狙いは、販売実績を付けるための赤字戦略だとわかりました。

本来は980円で販売したいものであれば、ずいぶん思い切った大サービスですよね。

その販売店の思惑通り?しばらく検索順位が上位表示されており、常にモールのランキングに入っていました。

100円で販売されていた時はモール全体のランキングにも入賞していたので、全部で10000個以上は販売していたと思われます。

※当時Yahoo!ショッピングの全体ランキングで1位の商品は、1日で1000個前後の販売数でしたので、だいたい合っているはずです。

ちなみにその「車用の光沢材?みたいな商品」は使うことなく、しばらく車のダッシュボードに入ったままでした。。

まとめ

このようにネットショップ店舗の運営は、時に思い切った大幅な値引きをすることがあります。

店舗運営の開始時はまずは売上実績を作る必要があります。

さきほどの例は極端ですが、赤字でも販売することにもそういった理由があります。

店舗側では身銭を削ってお客様サービスをしたり、顧客満足度をあげるためにいろんな努力をしております。

しかしいつまでも利益がでないことをするわけにはいかないので、長期的に見た時には利益をきちんと回収し、健全な店舗運営を目指します。

そうすることで最終的にお店が潤い、消費者にとってもいい商品をコスパ良く使ってもらえるWIN-WINの関係になれます。

この記事ではネットショッピングでお店が利益が出なくても商品を安くする理由の解説でした。

今回は以上です。

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